日本のご当地料理を知る!奈良の伝統郷土料理「柿の葉すし」の老舗「平宗」の柿の葉ずし手作り体験で、日本人の真心とおもてなしを知りました。

150年以上の歴史を誇る、柿の葉寿司の名店 “柿の葉ずし総本家「平宗」”

創業1861年、150年以上の歴史を誇る柿の葉ずし総本家「平宗」。奈良県吉野地方で、夏祭りのご馳走として振舞われていた「柿の葉ずし」は、現在では奈良県の名産として親しまれています。

奈良県の山間部の吉野は海から遠く海産物は貴重な食べ物でした。当時は和歌山で獲れた鯖を腐らないように塩で絞めて、吉野まで運んでいました。

その鯖を薄く切って酢飯と合わせ奈良の名産品である柿の葉で包み、より保存性を高めるために木桶に入れ重石をして寝かせて押し寿司を作りました。鯖の塩気と油、柿の葉の香りが酢飯に程よく染みこんだやさしくまろやかなお寿司です。

奈良の名物「柿の葉寿司」を「平宗」で、手作り体験してみよう!

平宗では吉野の伝統的なご馳走「柿の葉ずし」の手作り体験を行っています。

体験の所要時間は約45分で、計8個の柿の葉ずしを作ります。柿の葉ずしに使用する魚は定番の鯖と女性や子供に人気がある鮭の2種類です。

奈良県の地元の人たちと柿の葉ずしのドキュメンタリーを鑑賞します。

このドキュメンタリー映像は、カンヌ国際映画祭をはじめ、多くの賞を受賞している世界的に有名な「河瀬直美」監督が制作しており、奈良県の地元の人たちの「おもてなしの心」が伝わる作品です。

母の愛情と真心がこもった郷土料理である柿の葉ずしは、貴重な海の産物「鯖」と地元の人が愛情を込めて育てた米を合わせたご馳走を柿の葉で丁寧に包みじっくり寝かせるという工程のなかに、奈良の人たちのやさしさを感じます。

15分ほどの映像のあとに、いよいよ柿の葉ずしの手作り体験がはじまります。テーブルの上に用意されるのが奈良盆地で育った「ひのひかり」という品種の米を使用した酢飯、薄くスライスした鯖と鮭、柿の葉です。

まずはごはんを四等分にして、親指と人差し指を使って成型していきます。まるで握り寿司職人になったような気分になります。

キレイにごはんを整えると、柿の葉の表面に魚を置きごはんを乗せて包みます。空気が入らないように丁寧に包むことで、魚と酢飯と柿の葉がうまく染みこんで深い味わいの柿の葉ずしが出来上がります。

包み終わったら専用の木箱に入れて並べていきます。葉脈の向きを揃えて8等分のスクエア型の柿の葉寿司をつくると、キレイに箱の中におさまります。魚の種類別に並べておくと食べるときに分かりやすいです。

2019年11月現在、木箱のふたには貴重な吉野杉を使用しています。繊細な吉野杉の香りが柿の葉ずしに移ることでより爽やかで芳醇な香りの柿の葉ずしを楽しむことができます。

全ての柿の葉ずしを詰めて、蓋をしてゴムで留めると、柿の葉寿司の完成です。専用の箱に入れてお持ち帰りができます。

できあがった「柿の葉ずし」の美味しい食べ方

柿の葉ずしは握り寿司と異なり、寝かせることで旨味が熟成されます。柿の葉寿司を作り終わったあとにすぐに食べるのではなく、必ず持ち帰って次の日に食べてください。ホテルなどの宿泊施設に到着したら、冷蔵庫に入れて保管するとよいでしょう。

食べる1時間前に冷蔵庫から出しておくと、より美味しく食べられます。

宿泊施設または自宅に電子レンジまたはトースターがある場合は、温めることで魚の油分が酢飯に染みわたり、柿の葉の香りが惹きたちます。柿の葉に包んだまま、電子レンジの場合は、600Wで10~20秒、トースターの場合は15分ほど温めてください。

アドバイスを受けてはじめて温めた柿の葉ずしを食べましたが、今まで食べた柿の葉ずしの中で一番美味しく食べられました。

日本人の知恵が生み出した奈良のごちそう「柿の葉ずし」

日本の寿司は生魚を使用した握り寿司が一般的に知られていますが、柿の葉ずしのように1日寝かせた方が美味しく食べられる押し寿司も人気です。

握り寿司とは異なる味わいで、味に深みがあります。四方を海に囲まれ海の恵みが充実している日本は古くから、海のない地方でもいかに貴重な海産物を腐らせずに運び、美味しく食することに知恵を働かせてきました。

柿の葉ずしは日本人の知恵が生み出したごちそうといえるでしょう。

今回、平宗の柿の葉ずしの手づくり体験は日本で初めて世界遺産に指定された「法隆寺」から程近い「平宗 法隆寺店」に訪問しました。日本の宗教建築の礎とも言われる世界遺産「法隆寺周辺の仏教建造物」を楽しんだあとに、奈良の伝統的な食文化に触れてみてはいかがでしょうか?

店舗名 柿の葉ずし総本家 平宗 法隆寺店
電話 0745-75-1110
住所 奈良県生駒郡斑鳩町法隆寺1丁目8-40
地図
時間 手作り体験時間:10:00/15:00/16:00
料金 1,815円
支払い クレジットカード可、スマホ決済可
定休日 年中無休(繁忙期を除く/お問い合せ下さい)

※このページの情報は2020年1月の情報です。

紹介記事

関連する記事

特集記事