京都旅行で必ず食べたい「京の伝統野菜」

日本で有数の野菜の産地「京都」

京都料理の発展の源は京都の伝統野菜です。

1000年以上都として栄えた京都。京都は海からは遠く、日本が誇る海産物の輸送が極めて困難で朝廷をはじめとした都の人々の食生活には「野菜」がとても重要でした。

全国各地や大陸から野菜の種や技術が集まり、さまざまな品種の野菜が京都で育てられました。

京都は夏が暑く冬が寒いと言われるように四季の移り変わりが明瞭です。昼夜の温度差が大きいため野菜の育成に適した気候を持っています。京都盆地には地下水がふんだんに蓄えられ土壌環境も良好です。

京都で育てられた野菜は優れた気候風土と京都の農業を支える人々たちによって原産地よりも美味しく発展していきました。

京都産の野菜は「京野菜」と呼ばれ食通をはじめとした多くの日本人から一目置かれています。現在では「ブランド野菜」や「伝統野菜」」として位置づけられている品目があります。


京の伝統野菜とは?

京の伝統野菜は京都府内で長期間にわたって栽培されてきた野菜で、現在37種類が認定されています。

認定基準は「明治以前(1868年以前)に導入の歴史を有し、京都府内で生産されていること。また、たけのこを含み、キノコ類、シダ類を除いたもの。現在栽培または保存されているもの、および絶滅した品目を含む」と定義づけられています。

京都産の野菜として長きにわたって育まれ、味、風味、栄養も極めて優れた京都の伝統野菜。日本の古都「京都」の食文化の象徴とも言われる伝統野菜を食べてみませんか?

主な京の伝統野菜は以下のとおりです。


1.だいこん
2.かぶ
3.つけ葉
4.なす
5.かぼちゃ
6.とうがらし
7.うり
8.さといも
9.ごぼう
10.ささげ
11.うど
12.みょうが
13.ねぎ
14.せり
15.くわい
16.たけのこ
17.じゅんさい
18.きゅうり


1.だいこん

・辛味だいこん

水分が少なく蕎麦の薬味に適しています。

おすすめの食べ方:辛味だいこんのおろしそば


・青味だいこん

鮮やかな緑色で生食のほか、お吸いものの具材や炊き合わせに適しています。

おすすめの食べ方:刺身のツマ


・時無だいこん

煮えにくく硬いので、大根おろしや漬物に適しています。

おすすめの食べ方:だいこんおろし


・聖護院だいこん

甘みのあるとろけるような食感で京都の冬のごちそう。煮物やふろふき大根に欠かせません。

おすすめの食べ方:ふろふきだいこん


・桃山だいこん

主にたくあん(大根の漬物)の材料として使われています。

おすすめの食べ方:たくあん


2.かぶ

・聖護院かぶ

京都の名物「千枚着け」の材料としてよく知られています。

おすすめの食べ方:千枚漬け


3.つけ葉

・すぐき菜

糖度が高く京漬物「すぐき菜」で知られています。

おすすめの食べ方:すぐき菜の漬物


・みず菜

柔らかくシャキシャキしていて鍋物や炊き合わせに欠かせません。居酒屋のサラダなどにもよく用いられています。

おすすめの食べ方:みず菜のサラダ、みぞれ鍋


・壬生菜

みず菜の一種で特有の辛味と辛子の香りがあるのが特徴です。

おすすめの食べ方:壬生菜の鍋


・畑菜

カロチン、ビタミンC、カルシウム、鉄などの栄養が豊富な野菜です。

おすすめの食べ方:煮浸し、辛し和え


4.なす

・もぎなす

一口で食べられる大きさなので天ぷらや煮物の材料として好まれ辛子漬にもよく利用されています。

おすすめの食べ方:茄子の辛子漬け


・賀茂なす

京の伝統野菜の中で最も有名でなす田楽に欠かせません。

おすすめの食べ方:なす田楽


・京山科なす

皮が薄く柔らかい甘みのあるしっとりとした食感です。

おすすめの食べ方:焼き茄子


5.かぼちゃ

・鹿ケ谷かぼちゃ

ひょうたんのような形で2~4キロもある大型のかぼちゃ。形のユニークさから花材や置物として用いられることも多いです。


6.とうがらし

・伏見とうがらし

「青と」と呼ばれ広く親しまれており、辛味のでないとうがらしです。

おすすめの食べ方:煮物、焼物、天ぷら、佃煮


・万願寺とうがらし

辛味がなく肉厚で食べ応えがあります。

おすすめの食べ方:焼き唐辛子、天ぷら、佃煮


7.うり

・桂うり

しろうりの一種で奈良の名物「奈良漬」の材料として知られています。

おすすめの食べ方:奈良漬


8.さといも

えびいも

里芋の一種で海老の姿に似ています。緻密なとろけるような味わいが特徴です。

おすすめの食べ方:棒鱈と炊き合わせた料理。


9.ごぼう

・堀川牛蒡

直径6~9センチ程の太いごぼうで中心に穴があいていて肉などを詰めた煮込み料理などに用いられています。

おすすめの食べ方:堀川牛蒡の肉詰め


10.ささげ

・柊野ささげ

煮物やおひたしなどに使われ8月のお盆には仏前に供えられます。京都の夏には欠かせない野菜です。

おすすめの食べ方:煮物、おひたし


11.うど

・京うど

香りがよく歯切れがよいのが特徴です。



12.みょうが

・京みょうが

日本原産の野菜のひとつで夏に素麺の薬味やお吸い物、柴漬けの材料として使われます。

おすすめの食べ方:素麺の薬味、お吸い物、柴漬け


13.ねぎ

・九条ねぎ

消臭効果、体を温める効果、消化促進効果はあり、昔から民間療法として用いられてきました。


おすすめの食べ方:鴨ねぎ、椀、鍋物


14.せり

京せり

古くから薬草のひとつとしても珍重されてきた冬に欠かせない野菜です。

おすすめの食べ方:吸い物、あえ物、すきやき、鍋物


15.くわい

・くわい

地中でよく増えることから「子孫繁栄」として縁起物として用いられています。日本の正月料理に欠かせません。

おすすめの食べ方:正月料理(おせち)


16.たけのこ

・京たけのこ

えぐみがなく柔らかく、日本一のたけのことして定評があります。

おすすめの食べ方:たけのこご飯、天ぷら


17.じゅんさい

・じゅんさい

水生植物の若芽でぬるぬるとしています。

おすすめの食べ方:お吸い物、酢の物


18.きゅうり

・聖護院きゅうり

昭和30年代に絶滅しましたが近年保存されていた種が見つかり、京の伝統野菜として新たに認定されました。

京都は独自で発展したオリジナルの野菜が多く豊富な種類の野菜を使用した京料理が人気です。京都の繁華街「河原町」や「烏丸」などの飲食店が多いエリアでは京野菜をウリにしたレストランや居酒屋がたくさんあります。

京都旅行の食事には、ぜひ京都ならではの「京野菜」を使った料理をお楽しみください。

画像提供:京都市農林企画課、(公社)京のふるさと産品協会 ※このページの情報は2020年2月のものです。